【活動レポート】スキル講義「マーケティング&ビジネスモデル集中講義」

2026.10.30

10月8日(木)、FuJI:AIプログラムのスキル講義がSHIPで開催されました。今回の講演テーマは「マーケティング&ビジネスモデル集中講義」です。講師を務めた株式会社RePlayceの松田広大氏は、アイデアを単なる思いつきで終わらせず、市場で勝ち残り続けるための再現性のある仕組みづくりの重要性を強調。競合と被らない独自のポジションを確立することや全ての関係者がWinWinであるビジネスモデルを設計することが大切だと語りました。

講義後半では、学生が「フラワーショップを救う新規事業アイデア」をテーマにしたグループワークに挑戦。学んだビジネスモデルをヒントに、新しい価値を生み出し、収益化する仕組みを具体的に組み立てていきました。講義の最後には、今後の活動に向けて「FuJIの心得」を振り返り、一人ひとりが事業づくりへの向き合い方を再確認しました。

講師紹介

松田広大氏
株式会社RePlayce 営業本部 アカウントマネージャー

left_large

2016年に新卒で因幡電機産業に入社。FA機器やロボットの提案営業に従事し、システム構築まで手掛ける技術営業を経験。その後、「より社会のことを深く知りたい」と中小企業向けのコンサルティング会社である船井総合研究所にキャリア入社。中小製造業向けのマーケティング・DX支援を軸にした経営者コンサルティングを行い、業績向上に寄与。採用コンサルティングにも携わる。学生時代から教育に強い関心を持ち大学在学中には教員免許を取得。社会人生活を通して、キャリア形成支援や探究学習の重要性を感じ、RePlayceのビジョンに強く共感しJoin。

ポジショニングで「自らが輝ける土俵」を見つける

マーケティングとは、商品やサービスを高い再現性で提供するための仕組みづくりのことです。その中でも重要な技法が「ポジショニング」です。すでに多くのサービスが存在する市場において、自分たちの強みを発揮し、他のサービスと差別化できる領域を見極める手法を学びました。

講義では2つの人気アニメを例に挙げました。同じアニメ市場でも、作品ごとに設定される世界観や対立構造が異なるため、ターゲット層が重複せず、それぞれ独自のポジションを築いています。このように、自らが輝ける土俵を見つけるためにポジショニングマップを作成し、他社と被らない独自の「軸」を設定することが重要です。

松田氏は「一見空きがなさそうに見える市場でも、軸の取り方を変えることで未開拓のブルーオーシャンが見つかる」と解説しました。また、独自のポジションを見つけるためには「既存のサービスや市場を誰よりも徹底的に調べ上げること」が重要であると語りました。「他のサービスでもいいのでは?」という疑問に対し、自分たちの独自性を明確に語れるかどうかが、サービスの価値を左右します。

社会の構造を理解する「ビジネスモデル」

ビジネスモデルとは、一言で言えば「継続的な収益を生み出す仕組みづくり」です。ビジネスモデルを知ることは、私たちが普段利用しているサービスの仕組みを知ることであり、サービスを提供する側の視点を理解するきっかけにもなります。

ビジネスモデルは主に以下の4つの要素で構成されます。

・価値のあるアイデア

・利益の出し方(マネタイズ)

・持っている資源(ヒト・モノ・カネ)

・継続する仕組み

講義では例として「なぜ某SNSサービスはユーザーが無料で使えるのか?」を取り上げました。ユーザーだけでなく、運営会社や広告を出す企業など、関わる人全員がハッピーになる仕組みがあるからこそビジネスとして長く成立していることを紐解きました。

さらに、商売の基本である「売上-費用=利益」にも立ち返り、カラオケ店などを例に「場所代や人件費など、どんな費用がかかっているか」を学生と一緒に整理。そのうえで松田氏は、「利益を出すことは決して後ろめたいことではなく、幸せにできる相手を増やすための原動力になる」と語り、利益をしっかり確保できるからこそ、より良い価値を社会に届け続けられるのだと伝えました。

代表的な5つのビジネスモデル

講義では、アイデアを具現化する際に参考となる代表的な5つのビジネスモデルの型を紹介しました。

1:小売モデル

商品を仕入れて販売する最も馴染み深い形です。スーパーやコンビニのように、仕入価格と販売価格の差額から利益を生み出します。

2:フリーミアムモデル

基本的な機能は無料で提供し、拡充機能や追加コンテンツに課金してもらう仕組みです。ゲームアプリや、続きを待たずに読めるマンガアプリなどで広く使われています。

3:サブスクリプションモデル

月額や年額など、一定期間ごとに利用料を受けとる定額制のモデルです。動画や音楽の配信サービスのように利用のハードルを下げ、長く継続して使ってもらうことで安定した収益につながります。

4:マッチングモデル

サービスを提供したい人と利用したい人を繋ぎ、仲介手数料を得る仕組みです。フリマアプリやフードデリバリーなど、近年急速に増えています。

5:レーザー&ブレードモデル

髭剃りの替刃のように、製品本体は無料または低価格で提供し、専用の消耗品を継続的に購入いただくことで利益を出す形です。ウォーターサーバーやプリンターなどがその代表例です。

実際にビジネスモデルを考えてみよう

ワークでは、「フラワーショップを救う新規事業アイデア」というテーマに挑戦しました。従来の小売モデルから発想を広げ、別のビジネスモデルを活用して売上を伸ばす方法を、現地とオンラインのチームに分かれて考えました。

ターゲットの課題を絞り込み、どの収益モデルを組み合わせるべきかを議論しながら、限られた時間の中で具体的な事業プランへと落とし込んでいきました。

ワークの発表

ワークの最後には各チームが考案したアイデアを発表しました。花言葉やシチュエーションに合わせたマッチングモデルや、サブスクリプションモデルとレーザー&ブレードモデルを融合させたフラワーアクセサリー作成キットの提供サービスなど、多彩なビジネスモデルが提案されました。

同じテーマでも、ポジショニングやビジネスモデルの型を変えるだけで全く異なる発想が生まれます。短い制限時間にもかかわらず、ビジネスモデルの型を活用することで、アイデアを具体的な仕組みへと深めていくことができました。

まとめ

今回の講義では、競合と差別化して戦うための「ポジショニング」と、事業を継続的に成り立たせるための「ビジネスモデル」について実践的に学びました。身近な事例から事業の仕組みを捉え直し、実際に手を動かして事業の形を考えることで、アイデアを社会に届けるための解像度が一段と高まりました。

また、講義の終盤には、FuJIプログラムが大切にしている「FuJIの心得」についての振り返りも行われました。講義を終えた学生からは、「自分のサービスの独自性を極めるためにも、競合調査は非常に重要だと思った」「自分たちの事業アイデアがあまりにも漠然としすぎていることに気づくことができた」「実際に競合サービスを利用している事業者さんにヒアリングをして、解決されていない課題やインサイトを探っていきたい」といった声が上がっており、学んだ知識をすぐに活かして次のアクションへと踏み出そうとする意欲的な姿が見られました。

今回の学びを経て、学生はさっそく競合調査やプロトタイプの改善に取りかかります。それぞれのアイデアがどこまで進化を遂げるのか、今後の展開にも期待が高まります。

ニュース一覧に戻る