「FuJI」2期生が最終プレゼン!成果報告会を開催しました

2026.03.31

2026年3月20日(金・祝)、静岡県男女共同参画センター あざれあにて、高校生向けアントレプレナーシップ育成プログラム「FuJI #2(Future Japan Innovator 2期)」の成果報告会を開催しました。約7ヶ月にわたる実践プログラムを経た2期生19名が、13チームに分かれてそれぞれの事業案を発表。静岡の地域課題から社会的包摂、観光、教育、防災まで、多様なテーマに向き合った高校生たちの挑戦が会場を大いに沸かせました。

イベント概要

本成果報告会は、2期生たちが約7ヶ月の学びと実践を通して磨き上げてきた事業案を発表する、「FuJI #2」の集大成となる場です。当日は保護者や教育関係者、企業関係者など多くの方々が来場し、高校生たちの発表に真剣に耳を傾けました。自分の言葉で想いを伝える2期生たちの姿に、会場は何度も大きな拍手に包まれました。

プレゼンテーション

No.1

チーム名:はじビタ
事業タイトル:興味×体験で、自分だけの進路軸が見えてくる新しい進路アプリ。「CoreLinx(コアリンクス)」

トップバッターを務めたのは、はじビタの「CoreLinx(コアリンクス)」。進路に悩む高校生が、ゲーム形式で将来の選択肢を疑似体験しながら、自分に合った進路を考えられる新しい進路アプリです。文理選択や進路決定の重要性を十分に理解しないまま将来を決めてしまう高校生が少なくないこと、また学校現場でも進路指導の難しさがあることに着目。「調べる」だけではなく「体験する」ことで納得感のある進路選択につなげようとする提案が印象的でした。高校生自身の実感から生まれた問いを、同世代の課題解決へと展開した、等身大で説得力のあるプレゼンテーションでした。

No.2

チーム名:SymLoop
事業タイトル:SymLoop〜つながることで、資源が生まれ変わる!〜

No.2では、SymLoopが登壇。動植物性残渣の排出側と利用側をつなぐ、廃棄物特化型のマップ×マッチングプラットフォームを提案しました。処理コストの高さや情報の不透明さ、再利用先の見つけにくさといった課題に対し、「資源マップ」「廃棄物カタログ」「掲示板」といった仕組みを組み合わせることで、廃棄物を“処理すべきもの”から“資源”へと転換する構想が示されました。現場の課題を丁寧に整理したうえで、利用者導線やビジネスモデルまで具体化されており、緻密な調査力と構想力が光る発表でした。

No.3

チーム名:いなずま
事業タイトル:ミモザ電気〜女性のための電気屋アプリ〜

いなずまが提案した「ミモザ電気」は、女性電気工事士と女性依頼者をつなぐアプリです。一人暮らしの女性が、見知らぬ男性工事士を自宅に招くことに不安を感じるという身近な課題から着想を得て、女性が安心して依頼できる環境づくりと、女性電気工事士がより活躍の場の創出を両立するサービスとして発表されました。過去の事例閲覧や指名依頼など、利用者目線の具体的な機能設計も特徴的です。高いニーズに基づいた課題設定と、社会的意義の両方を兼ね備えた提案として、会場の注目を集めました。

No.4

チーム名:BioLac(バイオラック)
事業タイトル:BIOLAC(バイオラック)~牛乳から世界を救う~

BioLac(バイオラック)は、牛乳由来の成分を活用してプラスチック代替素材「カゼインプラスチック」を生み出す事業案を発表しました。海洋プラスチック問題が深刻化する一方で、酪農業界では飼料価格の高騰や後継者不足などの課題があることに着目し、牛乳を原料とした新しい価値創出によって、環境問題と地域産業の課題を同時に解決しようとするスケールの大きな提案でした。環境へのやさしさだけでなく、酪農家の収益向上という視点まで含めて構想されていた点が印象的で、地域資源を起点に未来を描くプレゼンテーションとなりました。

No.5

チーム名:DOD(ドッド)
事業タイトル:おむすび-言語・国籍の壁なんて関係なく 日本で安心して子育てができる社会を-

DOD(ドッド)は、日本で子育てをする外国人保護者が抱える困りごとに向き合った発表を行いました。言葉の壁だけでなく、日本独自の“暗黙のルール”や文化的な文脈が伝わらないことで、保護者が孤立したり、子どもの不就学リスクにつながったりする現状を踏まえ、単なる翻訳を超えた「文化の翻訳」を届けるサービス「おむすび」を提案しました。公式LINEやコミュニティ機能を通じて、相談できる安心感や、居場所づくりまで含めて設計されている点が大きな特徴です。社会課題に対する切実な問題意識と、当事者に寄り添う視点が強く伝わるプレゼンでした。

No.6

チーム名:RforU
事業タイトル:Revolution-制服リユースに令和の風を-

RforUは、寄付で集めた制服を修繕・再生し、サブスクリプション型で提供する制服リユース事業を提案しました。新品の制服代が家計にとって大きな負担になっていることに着目し、経済的負担の軽減と制服の有効活用を両立させる仕組みを構想。さらに、修繕作業に高齢者が関わることで地域のつながりや活躍の場を生み出し、実店舗を多世代交流のサードプレイスとして育てていく視点も盛り込まれていました。家計・地域・環境にやさしい循環を生み出す、温かさのある事業提案でした。

No.7

チーム名:RMS house
事業タイトル:RMS house~多文化共生シェアハウスサービス運営~

RMS houseは、静岡県内の空き家を活用し、日本人と外国人労働者がともに暮らす多文化共生シェアハウスを提案しました。外国人労働者が抱える日本語学習の難しさ、仕事探しの困難さ、地域の中で孤立しやすい現状に対し、住まいの提供だけでなく、日本語教育、仕事の紹介、栄養管理を含めた包括的な支援まで構想している点が特徴です。空き家問題と多文化共生という複数の地域課題をつなぎ合わせ、地域の新しい可能性を描いた発表でした。暮らしの基盤から課題解決を考える視点が印象に残りました。

No.8

チーム名:bridge
事業タイトル:FamWave 〜家族と会えない寂しさに介護施設と家庭を繋ぐラジオ〜

bridgeは、介護施設にいる親と家族をラジオでつなぐ「FamWave」を発表しました。遠距離介護では「もっと連絡を取りたい」と思っていても、電話やビデオ通話には操作の難しさや精神的な負担があり、継続的なコミュニケーションが難しいという現状があります。そこで、双方向の会話ではなく、家族の声や日常を“ラジオ”として届けることで、受け手の負担を抑えながら温もりや安心感を伝える新しい仕組みを提案しました。テクノロジーではなく“声の力”で家族のつながりを支えようとする、やさしさのある発表でした。

No.9

チーム名:ミニライ
事業タイトル:日常で備える 防災の「当たり前」化

ミニライは、地域の災害リスクを見える化し、日常の中で自然に備えられる防災サービスを提案しました。特に子育て世代を主な対象とし、時間がない、何から始めればいいかわからない、といった“備えられない理由”に向き合いながら、過去の災害情報や地域特性をもとに将来のリスクをわかりやすく伝える構想が示されました。さらに、買い物のついでに備蓄へつなげられる導線まで考えられており、「知る」と「備える」をつなぐ設計が特徴です。防災を特別なものではなく、日常の延長線上に置き直そうとする視点が印象的でした。

No.10

チーム名:Aster(アスター)
事業タイトル:LGBTQ当事者が気軽に交流できるSNSサービス

Aster(アスター)は、LGBTQ当事者同士が安心してつながり、交流できるSNSサービスを発表しました。周囲に相談相手がいない、カミングアウトできず孤立している、知識はあっても実践的な情報が足りないといった課題に対し、投稿・質問・学習の機能を通じて、日常的な交流と安心できる情報共有の場をつくることを目指した提案です。安全性を重視した設計や、心理的安心感への配慮も丁寧に考えられており、単なるSNSではなく“居場所”としての価値が感じられました。当事者のリアルな声に根差した、切実さと希望のある発表でした。

No.11

チーム名:Next Nippon Navigators
事業タイトル:観光地だけではない、地域に眠る本物の日本をめぐる心躍るディープトラベル

Next Nippon Navigatorsは、静岡に住む高校生が外国人観光客に寄り添い、地域の深い魅力を届ける学生主導のツアー事業を提案しました。観光情報のわかりにくさや、定番スポットだけでは伝わらない静岡の魅力に着目し、高校生ならではの目線とコミュニケーションを活かして、“地域に眠る本物の日本”を案内する構想が語られました。単なる観光案内ではなく、人と人との関わりそのものを旅の価値に変えていこうとする点が特徴で、地域の魅力発信と異文化交流を結びつけた、あたたかさのあるプレゼンでした。

No.12

チーム名:CastBe
事業タイトル:CastBe〜高校生の声を届ける!〜

CastBeは、4つの事業案に挑戦し、何度もピボットを重ねながら、自分にとって本当に向き合うべき課題を探し続けたプロセスそのものを発表しました。若者の投票率向上、企業への声届け、スキルアップ支援、匿名相談サービスなど、さまざまなテーマに取り組む中で、顧客の課題に向き合うことの難しさや、事業を磨いていく過程で得た学びが率直に語られました。完成したサービスだけではなく、試行錯誤の過程や葛藤まで含めて共有されたことで、FuJIで培われた思考の深まりが伝わる発表となりました。挑戦し続けることそのものの価値を感じさせる内容でした。

No.13

チーム名:IZUscape
事業タイトル:IZUscape〜投稿1枚から始まる、地元と旅人の新しい物語〜

最後に登壇したIZUscapeは、体験を発見し、体験を共有する図鑑アプリを発表しました。既存の観光サービスでは、場所や店の情報はわかっても、その土地でどんな“体験”ができるのかまでは見えにくいという課題に着目し、状況・行動・感覚を軸に旅を探せる新しい仕組みを提案しました。旅の流れや実際の様子を“図鑑”として共有できる設計に加え、現地でのヒアリングや調査を積み重ねてきた実行力も大きな魅力です。若者の感性から地域の観光を再編集するような、締めくくりにふさわしい発表でした。

特別講演

当日は、成田修造氏(連続起業家 / エンジェル投資家 / HR高等学院 共同設立者)による特別講演も実施されました。テーマは「逆張り思考と3つの教訓 ─ 自分の力で未来を作る方法」。高校生たちは、事業づくりだけでなく、これから挑戦していく上での姿勢や考え方についても多くの刺激を受けました。

審査結果発表

審査の結果、最優秀賞に選ばれたのは、女性電気工事士と女性依頼者をマッチングするアプリ「ミモザ電気」を提案した「いなずま」チーム。優秀賞には、外国人保護者向け子育て支援サービス「おむすび」を提案した「DOD」チームと、体験から伊豆の旅を探せる観光アプリを提案した「IZUscape」チームが選ばれました。いずれも、身近な課題への強い問題意識と、実際のヒアリングや検証を踏まえた具体性が高く評価された提案でした。

審査講評では、鈴木康友知事から「熱量のこもった素晴らしいプレゼンテーションに感激した。日常的に感じている課題の解決から新しいビジネスが生まれる。問題意識を持ち続けチャレンジしてほしい」との言葉が贈られました。

成果報告会を終えて

FuJI #2の成果報告会は、2期生たちがこの約7ヶ月で育んできた問い、行動力、そして他者に伝える力が凝縮された1日となりました。地域や社会の課題に本気で向き合い、自分たちなりの答えを事業案として世の中に問いかける姿は、まさにFuJIが目指してきたアントレプレナーシップの実践そのものでした。

起業することだけがゴールではなく、身近な違和感に気づき、問いを立て、仲間とともに形にしていく姿勢は、これからどんな進路を歩むとしても大きな力になります。FuJI #2で生まれた挑戦の種が、これからそれぞれの未来の中でどのように育っていくのか、今後も楽しみです。

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