2026年2月12日、FuJIプログラム第2期のスキル講義がSHIPで開催されました。第8回目となる講義テーマは「絶対伝わるプレゼン術」。講師を務めたのは、「わかりやすくておもしろい」コンテンツの専門家であり『秒で伝わるパワポ術』などの著書を持つ豊間根青地氏です。
プレゼンとは、ビジネスアイデアをわかりやすく伝え、聞き手の疑問を解決し、共感を得る手段。「なぜ伝わらないのか」から出発し、プレゼンの本質を学びました。3月の最終プレゼン(成果報告会)に向けて、「何を、どう伝えるべきか」を考える時間になりました。
講師紹介
豊間根 青地氏
うねり株式会社 代表取締役

1994年東京都生まれ。東京大学工学部卒。サントリーで通販事業のCRM・広告などを担当する傍ら、趣味のPowerPointで作成したスライドがSNSで反響を呼び、12万人以上のフォロワーを集める。2022年に独立し、ビジネスパーソンが仕事をおもしろがり、クリエイティブに働く世界を目指す会社「うねり株式会社(旧シリョサク株式会社)」を創業。著書に『秒で伝わるパワポ術』『秒で使えるパワポ術』(KADOKAWA)がある。
スキル講義「絶対伝わるプレゼン術」での学び
良いプレゼンとは何かを知ろう
豊間根氏は、「良いプレゼンをするには、わかりやすいプレゼンを見ることが大切」と話し、本題に入る前にお手本となるスライドを披露しました。内容は、昔話『桃太郎』を題材にしたビジネスプレゼンです。
「DombraCo」という、鬼退治をする架空のサービスを例に、社会課題の解決を目指すビジネスプランを紹介。スライドは、シンプルな利用フローや低コストの提供方法、SNS活用によるつながりの強化が特徴的でした。キーメッセージが明確で、一目で内容が伝わる構成がポイントです。
慣れないうちは、台本を丸暗記するほどの気持ちで準備を固めることが大切。豊間根氏は「自分の発表を録画して客観的に見直すことが上達への一番の近道」とアドバイスしました。
プレゼンの目的は、問題解決
豊間根氏は、スライドを作り始める前に「プレゼンの目的を明確にしよう」と呼びかけました。プレゼンの本質は「聞き手の疑問に答え、問題を解決すること」。そのためには「現実と理想のギャップを明らかにし、それを埋める手段を提示すること」が重要だと強調しました。
2期生にとって、FuJIプログラムでのプレゼンの目的は、「なぜビジネスプランを高く評価するべきなのか」「なぜあなたがやるのか」といった審査員の疑問に答えることです。目的が明確になればスライドの中身はおのずと決まります。
具体的には、以下のポイントをわかりやすく示すことが重要です。
- 解決すべき課題
- 具体的な解決策
- 他のプランと比較した際の強み(競争優位性)
- 実現の可能性
- 収益の見込み
「聞き手は誰で、その人はどのような疑問を抱いているのか」。ここを押さえられるかどうかが、プレゼンの成功を左右します。聞き手が抱いている疑問と別の問いに答えてしまうと、どれほど情報を集めても、どれほどデザインが整っていても、相手は納得しません。豊間根氏は、「Qがズレると、どれだけ見た目を整えても意味がない」と強調しました。
プレゼンをする際に大切な3つのポイント

豊間根氏は、プレゼンをする際に重要な3つのポイントを紹介しました。
- Q&Aから作るべし:スライド作成では、まず「どの疑問に答えるのか」を明確にし、Q&A形式で整理することが重要です。このプロセスを経た後に、文章をスライドに分け、グラフや図を使って視覚的に整えます。疑問を整理せずにスライドを作成しても、効果的に伝わりません。いきなりスライドを作成せず、まず紙に問いと答えを書き出し、自分が全体像を把握することが重要だと力説しました。デジタルツールではなく、紙とペンを使うこと。それがポイントです。
- メッセージが先:スライドの主役は「キーメッセージ」です。1~2行で伝えたい内容を端的に表現し、補足としてグラフや図を加えます。各スライドの上部にキーメッセージを太字で記載することで、スライド全体の質を向上させることができます。反対に、文字量が多いとメッセージが伝わりづらくなります。
- 引き算で考える:デザインを決める際には、いかに要素を減らして「見てほしい部分」を際立たせるかがポイント。色は白・黒・グレーを基本とし、強調したい1箇所だけに色を使うことが大切です。新聞のように、文字は色ではなく太さと大きさで優先順位をつけるのがおすすめ。「引き算」の徹底が、一目で伝わるスライドを生み出します。
ワーク:先輩のプレゼンを見て、本質をつかもう!

FuJIプログラム1期生による「廃棄わさびの再利用プロジェクト(わさび堂)」のスライドを題材としてワークを実施。2期生は、「このスライドは聞き手のどんなハテナマーク(問い)を解消しようとしているのか?」という視点で内容をじっくりと観察しました。優れたプレゼンは、ページごとに「問い」「答え(キーメッセージ)」「根拠」の構造が貫かれていることを実例から学びました。
その後の質疑応答では、2期生からさまざまな質問が寄せられました。「プレゼンをする際に重視している原則はあるか」に対して講師は、「物事をシンプルに捉える『抽象化』が大切」と回答。「万物はパワポと同じ」という視点で、電車の広告やウェブサイトなど、身の回りのものを「なぜこれはわかりやすいのか?」という視点で観察し、共通するルールを見つけ出す習慣が、そのままプレゼンの質を高める訓練になると伝えました。
「上達するためにどんな練習をしたか」については、「とにかく場数が大事」と回答。日常でプレゼンをする機会は少ないため、自ら進んで挑戦する姿勢が大切だと述べました。「人前で発表し、質問を受けるという『少し怖い体験』の積み重ねが人を成長させる」とし、臆せず経験を積むよう受講生を励ましました。
まとめ
講義では、2期生がプレゼンの目的やスライド作成のコツ、話し方などを学びました。ワークを通じて、「優先して伝える情報は何か」「それをスライドでどう見せるか」を考え抜きました。「Q&Aからスライドを作る点が印象に残った」「プレゼンは相手のハテナを潰すものという話を聞いて、ハッとした」「プレゼンの本質はコミュニケーションだとわかった」といった感想が寄せられました。
FuJIプログラム2期の講義は、残すところあと1回。3月には、これまでの学びの集大成となる最終プレゼン「成果報告会」が開催されます。チームで磨き上げたビジネスモデルを堂々と発表し、「やりきった」と胸を張れるよう、最後まで成長を続けます。
問いから考える姿勢が、プレゼンの質を大きく左右します。3月の成果報告会で、その成果がどう形になるのかが楽しみです。
