【活動レポート】FuJIスタートアップツアー 起業家マインドを学び、事業案の中間プレゼンを実施

2026.01.13

12月6日と7日の2日間、東京都と神奈川県で、FuJIプログラムのスタートアップツアーが開催されました。本ツアーは、FuJIプログラム2期生の高校生たちがスタートアップの最前線を体験するプログラムです。

1日目は、マインド講義を実施。テーマは「星を救う起業家」で、講師はJEPLAN会長の岩元美智彦氏。講義では、事業に向き合う姿勢や社会課題への向き合い方を中心に学びました。岩元氏は、反対意見や困難に直面しても行動を止めないことの重要性を、高校生に丁寧に伝えました。また、JEPLANグループ独自のケミカルリサイクル技術を用いたペットボトルのリサイクル現場も見学し、最先端技術を活用した事業の現場を体感しました。

2日目には中間発表会を開催。これまでの学びをもとに、各チームがそれぞれのテーマについて熱を込めてプレゼンしました。

講師紹介

岩元美智彦氏
株式会社JEPLAN 会長・共同創業者
一般社団法人 日本循環型社会形成推進協会 代表理事

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1964年鹿児島県生まれ。北九州市立大学卒業後、繊維商社に就職。営業マンとして勤務していた1995年、容器包装リサイクル法の制定を機に繊維リサイクルに深く携わる。2007年1月、現代表取締役社長の髙尾正樹氏とともに日本環境設計(現JEPLAN)を設立。資源が循環する社会づくりを目指し、リサイクルの技術開発だけではなく、メーカーや小売店など多業種の企業とともにリサイクルの統一化に取り組む。2015年アショカフェローに選出。著書『「捨てない未来」はこのビジネスから生まれる』(ダイヤモンド社)。

マインド講義「星を救う起業家」での学び

自分が信じた道を進む

岩元氏が創業当初から目指したのは、経済、環境、平和の三つを同時に成り立たせる社会。創業時は、経済活動と環境保護は両立しないという見方が強く、実現は難しいという声も多く寄せられていたといいます。そうした中でも、使い終えたものを資源として活用する「地上資源」の考え方によって、環境を守りながら経済活動を続ける道があると考え、取り組みを続けてきました。

岩元氏はまた、事業の進め方をおもちゃのこまに例え、軸となる技術があり、そこに周囲を巻き込む力が加わることで、事業は安定して回り続けると説明しました。技術を軸にしながら、多くの人や組織を巻き込むことの重要性が強調されました。

資源をめぐる争いをなくし、平和にしたい

岩元氏は、ペットボトルや衣類、スマートフォンなどが、石油や金、レアメタルといった地下資源から作られていることに触れました。こうした資源をめぐる争いが、戦争やテロの背景にあるケースは少なくないと指摘します。そのうえで、使い終えたものを地上資源として回収し、再び資源として活用できる社会が実現すれば、資源を奪い合う必要はなくなると説明しました。

また、地下資源に依存しない仕組みの整備は、環境への負荷を減らすだけでなく、平和にもつながると語りました。実際に、地上資源を活用する取り組みは、国際的なスポーツイベントのメダルにも応用されています。

正しいことを楽しいことに変えよう

岩元氏は、リサイクルの重要性を伝えることに加え、企業や消費者を巻き込む仕組みが欠かせないと強調しました。その際に重視してきたのが、正しいことを押しつけるのではなく、楽しい体験へと変えるという発想です。具体例として紹介されたのが、グローバルに展開するハンバーガーチェーンのセットメニューのおもちゃリサイクルでした。

子どもたちが遊ばなくなったおもちゃを店舗に持ち込み、回収に参加できる仕組みを整えた結果、当初は300人ほどだった参加者が、継続的な取り組みによって数百万人規模へと拡大しました。岩元氏は、こうした体験を通じて、「買って使って終わり」ではなく、使い終えた後の行動まで含めて考えることが大切だと説明しました。この取り組みは、世界のSDGs大賞の受賞にもつながっています。

中間発表会で14のチームが事業内容をプレゼン

2日目には中間発表会が行われ、グループ・個人を問わず全14チームが、考え抜いたアイデアを発表しました。持ち時間は5分。どのような課題を感じているのか、なぜ自分がその事業に取り組むのか、そしてその事業によって誰のどのような悩みを解決できるのかについて、自分たちの言葉で説明しました。あわせて、事業を継続するための収益の確保についても考えを示しました。

審査員紹介

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畠山 怜之
株式会社FASHION X 代表取締役
福岡出身、立命館アジア太平洋大学卒業後、NTTへ入社し法人営業に5年従事。その後、サービス開発部門にて株式会社バカン(J-startup)への出資および出向。同社の九州拠点立ち上げや全社マーケティングを3年半行い、NTTへ帰還。帰還後は経営企画部にて中期経営戦略推進に従事した後、2023年7月株式会社FASHION Xを創業。

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河野 優人
株式会社ジェネシア・ベンチャーズ プリンシパル
2013年インドに渡り、現地スタートアップ、インドテックメディアYourStory、サイバーエージェント・キャピタルでの事業開発及びスタートアップ投資に従事。日本ではEdtechスタートアップQuipperでコンテンツ開発を担当。2017年ジェネシア・ベンチャーズ参画。2019年インドネシアオフィス立ち上げ、2020年ベトナムオフィス代表を経て、2023年より日本オフィスを拠点に活動。日本・東南アジア・アフリカで約30社のシード投資支援を実行。担当投資先はMOSH、Babel、コノセル、Docquity、KAMEREO、Manabie、Kasagi Labo、Connect Afya、AmoebaX、microverseなど。早稲田大学/社会科学部卒。

全14チームの発表概要は、以下の通りです。

中間発表会では、家業である産業廃棄物を扱う事業案や、学校で電気工事を学ぶ中で感じた女性が活躍しやすい環境づくりをテーマにした発表がありました。また、高齢者施設に入居する家族との交流サポートや、制服のリユースによる購入負担の軽減、高校での文理選択を支援するアプリなど、高校生自身が当事者として感じてきた悩みを出発点にした事業案も挙がりました。環境、防災、空き家問題、教育、ジェンダーなどテーマは多岐にわたりました。

2期生の熱意ある発表を受け、審査員からも本気のフィードバックが寄せられました。共通したポイントは、なぜ自分がその事業に取り組むのかを明確にすること、収益の仕組みを具体的に示すこと、事業案を知らない人が聞いてイメージできる伝え方を心がけることでした。限られた発表時間の中で、事業のどこを強調すれば聞き手に伝わるのかを意識してほしいと、エールが送られました。

全チームの発表終了後には、優秀賞と最優秀賞合わせて3チームが選出されました。あわせて、中間発表会を通しての講評が審査員から寄せられました。課題に対する着眼点が面白く、自分なりの問題意識をしっかりと持っている点が高く評価されました。ビジネスや学びを進めていくと、考え方が似てしまい、同じような結論に行き着きがちです。一方で、中間発表会ではそうした傾向は見られず、「オリジナリティが発揮された」と拍手が送られました。

まとめ

ツアー後のアンケートでは、「時間を気にして早口になった」「解決したい課題をもっと明確にしたい」「ヒアリングをもっとして事業案を改善する」といった前向きな振り返りが寄せられました。今回の学びをもとに、最終報告会へ向けてさらに事業案を磨き上げていきます。

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